路傍の意地

70歳目前オヤジの、叫びとささやき

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

奈良文化財研究所編『木簡 古代からの便り』を読む

奈良時代、平城京の役所でよく使われていた木簡。日本史の教科書で見たことがあるかもしれない。墨で文字を書きつけた細長いかまぼこ板状のものである。この木簡、古代律令国家の事務運営のためにはなくてはならないものだったが、平城京を中心に、これまで…

大竹昭子著『東京凸凹散歩』を読む

永井荷風は嘉永版の江戸切絵図を携えて大正の東京を散策、消えゆく江戸の風情を哀惜し、その変貌を呪いながら随筆『日和下駄』を書いた。 昭和二十五年東京生まれ東京育ちの著者、大竹さんも荷風にならい、国土地理院の一万分の一地形図を手に、東京を縦横に…

わが心の映画音楽

1本目 まず思い出すのは、斎藤康一監督の名作「約束」。1972年3月公開。公開時私は19歳で、新宿の映画館で観て感動。岸恵子の大人の女の色気にすっかりやらた。4、5回観たような気がする。当時、サウンドトラックはレコードなどに商品化されておらず、仕方…